頼希の諭告

raiki’s blog

400億円強をどう捻出するのかが大きな課題だ。

大阪が開催を熱望する背景には経済の地盤沈下や人口減少への強い危機感がある。
帝国データバンクによると、16年までの10年間で大阪府外に本社を移した企業は2308社に上り、同じ期間に府内に転入した企業を806社も上回った。
転出超過は35年連続。
15年の国勢調査では大阪府の人口が68年ぶりに減少した。
特に、東京に対 しては人も企業も流出が著しい。
東日本大震災で東京から大阪への転入者が増え、東京への転出者を差し引いた転出超過が一時的に縮小したが、その後は拡大。
企業も16年に府外に転出した210社の3割強が東京への移転だった。
こうした苦境を打破するには、府内企業の技術革新や新産業の創出が不可欠。
松井知事は25年という期限までに、そういうものを生み出していこうという目標設定の意味合いもあると説く。
会場予定地の夢洲も低迷を象徴する。
大阪市が80年代にまとめた大規模住宅などの開発構想はバブル崩壊で頓挫。
大阪招致を目指した08年夏季五輪では選手村の建設予定地となったが、招致に敗れ、負の遺産と化した。
現在、一部がコンテナ埠頭などとして利用されているだけだ。
対岸までは市中心部から地下鉄で30分。
万博開催などに備えた延伸構想もある。
延伸とは別に、開催が実現した場合の会場建設費は1250億円に上る。
国と地元自治体、経済界が3分の1ずつを負担する。
民間に割り当てられた400億円強をどう捻出するのかが大きな課題だ。
05年愛知万博ではトヨタ自動車中部電力など地元の主要企業9社のトップが会談。
会場建設費の民間割り当て分450億円のうち地元経済界の負担スキームを検討し、主要9社が3億~20億円を出して計100億円を負担することで合意した。