頼希の諭告

raiki’s blog

これまで何度も顧客の将来性や技術トレンドを読み誤ってきた。

頼希です、中期戦略を見直さざるを得なくなった背景には、最大顧客のアップルの変心がある。
同社は今秋発売のiPhoneの一部モデルで有機ELを採用し、18年モデルでは発注量をさらに拡大。
韓国サムスン電子からパネルを調達する意向で、結果的にJDIの液晶パネルの受注が 大幅に減る見通しとなったのだ。
アップルが有機ELにシフトし始めた時、JDIは石川県白山市に1900億円を投じて液晶パネル工場を建設中だった。
アップル側の要請もあって急ピッチで工事を進めたものの、稼働準備が整った16年6月は受注量が低迷しており、工場稼働を半年遅らせる結果となった。
急激な市況変動、液晶から有機ELへのディスプレー産業の転換に直面し、JDIは外部環境の変化に振り回され続けた。
筆頭株主産業革新機構や所管する経済産業省の意向も働き、1カ月単位で状況が変わるパネル市場を生き抜くための機動的な意思決定を妨げたとの見方もある。
新経営陣が策定する再建計画には国内工場再編や人員配置の見直しなど赤字体質脱却の抜本的な対策を盛り込む見 通し。
稼働を始めたばかりの白山工場の巨大な生産能力をどう活用していくかも課題となる。
構造改革を断行するためにも資金が必要で、革新機構のほか投資ファンドなどに支援を要請。
国内外の事業会社との資本業務提携なども視野に検討を始める。
JDIはこれまで何度も顧客の将来性や技術トレンドを読み誤ってきた。
市場が急速に有機ELにシフトしている現在、JDIの極端な液晶偏重は命取りになりかねない。
有機ELパネルで先行する韓国勢、国を挙げて量産を後押しする中国勢と対抗していくチャンスは限られる。